文法:正書法と発音

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本項では、ミ・デア語の正書法と発音についてまとめる事とする。

正書法

標準ミ・デア語においては、文字と発音は一対一の関係にあり、綴りは実際の発音に即したものとする。

文字

ミ・デア語に用いられる文字は、主に以下の二種類が存在する。

ミ・デア文字表。上に子音字、下に母音字を配している。尚、子音字は基本文字のみ載せ、発音は基本文字のものに加え上点や下弧を配した場合のものも併せて記載している。

ミ・デア文字 (Kasta Mi-Dea)

ミ・デアにおいて実際に用いられている文字。大文字と小文字があり、初期順序は横書きで左から右に向けて綴られる。

子音の字母は無声音や鼻音などからなるものを基本文字とし、これに上点（アキュート・アクセントと同形）を付加して軟口蓋化を、下弧（セディーユ、オゴネク、コンマビロー等と類似形）を付加して有声化・前鼻音有声破裂音化等を行わせる。

尚、これらの造字法を用いる事により、標準ミ・デア語の語彙に存在しない方言や外来語特有の音素を表現する事も可能である。このような用途に用いられる文字を拡張文字と称する。

ラテン文字 (Kasta Tālielt)

コンピュータ上等、ミ・デア文字の使用が困難な場合に用いられる。ダイアクリティカルマークを用いて子音をミ・デア文字と一対一で対応させたUnicode式と、ダイアクリティカルマークを用いずラテン文字26文字及びコロン(:)、チルダ(~)、アポストロフィ(')のみを用いたASCII式の二種類の転写法がある。本WikiではUnicode式を用いる。

発音

前述の通り、ミ・デア語の発音は文字通りに読めばよい。但し、以下のような発音の変化が起こる場合も存在する。この場合は、発音を読み替えるのみでなく、綴り字も変化させる必要がある。

音韻組織

母音

	前舌		中舌	後舌
	非円唇	円唇		非円唇	円唇
狭母音	IPA: /i/ i				IPA: /u/ u
半広母音	IPA: /e, ɛ/ e				IPA: /o, ɔ/ o
広母音				IPA: /ɑ/ a

長母音は短母音にマクロンを付加して表す。

子音

ミ・デア語においては稀に、特に合成語において舌先と上唇で閉鎖を作り調音される舌唇音が見られる。

		唇音		舌唇音	舌頂音			舌背音		咽喉音
		両唇音	唇歯音		歯音	歯茎音	後部歯茎音	硬口蓋音	軟口蓋音	咽頭音	声門音
破裂音	無声破裂音	IPA: /p/ p		IPA: /t̼/ ƥ	IPA: /t/ t			IPA: /c/ q	IPA: /k/ k		IPA: /ʔ/ '
	有声破裂音	IPA: /b/ b		IPA: /d̼/ ƀ	IPA: /d/ d			IPA: /ɟ/ ď	IPA: /g/ g
鼻音		IPA: /m/ m		IPA: /n̼/ ɱ	IPA: /n/ n			IPA: /ɲ/ ň IPA: /nʲ/ ñ	IPA: /ŋ/ ŋ
ふるえ音・はじき音					IPA: /r, ɾ/ r			IPA: /ɾʲ/ ř
破擦音	有声破擦音					IPA: /t͡s/ c	IPA: /t͡ʃ/ č
	無声破擦音					IPA: /d͡z/ ż	IPA: /d͡ʒ/ j
摩擦音	有声摩擦音		IPA: /f/ f	IPA: /θ/		IPA: /s/ s	IPA: /ʃ/ š	IPA: /ç/ ç	IPA: /x/ x	IPA: /ħ/ ħ	IPA: /h/ h
	無声摩擦音		IPA: /v/ v	IPA: /ð/ ð		IPA: /z/ z	IPA: /ʒ/ ž	IPA: /ʝ/ ŷ	IPA: /ɣ/ ğ
接近音								IPA: /j/ y
側面接近音					IPA: /l/ l			IPA: /ľ/ ʎ

有声両唇軟口蓋接近音	IPA: /w/ w

音韻変化

母音

前\後	-a	-e	-i	-o	-u
a-	ā	ē	e	aw	ō
e-	iya	ē	i	ew	yū
i-/y-	ya	ī	ī	yo	yu
o-	wa	ē	wa	ō	ō
u-/w-	wa	we	way	o	ū

特に動詞からの転成修飾詞(-fa + -ilt → -felt)や開音節後末の名詞の属格形では必ず発生する。一方、人称代名詞属格(-ta + -ilt → -tilt)は例外的な変化である。